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情報工学のここが面白い

人間の話し言葉を書きとらせるコンピュータ能力は日進月歩で、現在は95%の正答率というところまでいたっています。この成果は、各種アプリに反映され、中でも注目を浴びているのがスマホに向かって話しかけると英語などに訳してくれる、自動翻訳です。(東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 篠田浩一教授)

※このコンテンツは2018年の取材に基づき構成しています

自動翻訳に注目

情報工学は今まさに盛り上がっている分野

SiriやGoogleアシスタントなどの音声検索でおなじみの音声認識の研究は古く、1960年代から行われてきました。しかし、実用には多くの時間を要し、一般の人が幅広く使えるようになったのはコンピュータの情報処理能力が上がった10年ほど前のことでした。音声技術の進化には目を見張るものがあり、次々と新しいアプリが実用化されていますから、学生にとっても取り組みがいがある分野といえるでしょう。

翻訳、おしゃべりロボット、通訳分野で実用化が進む

コンピュータ能力の進化は著しく、人間の話し言葉をコンピュータに書きとらせた場合、95%の正答率にまで達するようになりました。2011年時点には80%程度だったことを考えれば、これは驚くべき進歩です。つまり、間違えるのは5%程度の確率となったわけで、この数字は、私たち人間が犯すミスと変わらないレベルです。もはや話し言葉の書き起こしに限っていえば、コンピュータが人間の能力に追いついたともいえるでしょう。こうした成果は、スマホに向かって話しかけると100以上の言語に訳してくれる自動翻訳や通訳ロボットの研究にも生かされています。

画像認識の仕組みを説明する、篠田教授

対話型ロボットも?!

私が目指したいのは、心を持ったコンピュータを作ることです。例えば、ずいぶん利口にお話できるPepper(ヒト型ロボット)でも、人と人との会話のようにふくらむことはありません。会話というのは、進むほどにパターンが増えるものですから、一問一答を限界とするコンピュータには、会話を展開することができないのです。さらに、コンピュータは人間の感情を正確に理解することができません。私たちは、会話をするときに相手の感情を読み取って気の利いたことをいってみたり、話を変えてみたり、聞き役に徹してみたりといった判断をしています。そうした判断をコンピュータが担うには、人の感情とは何かを定義してコンピュータに教えなければなりません。こうした課題も少しずつでありますが、技術開発が進むことで、解決されていくでしょう。

取材協力:東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 篠田浩一教授

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