PART I自然と人間のサイエンス02機械と人間のあいだ

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最近、人工知能(AI)やロボットが毎日のように話題になっている。

例えば、将棋や囲碁でAIが人間の名人に勝ったり、見事なバランス感覚で歩いたり、バック転を決める二足歩行ロボットがつくられたりというニュースを見聞きしたことがあるかもしれない。

このままいくと、そのうちいま人間がやっている仕事の何割かはAIやロボットに取って代わられるだなんて話も盛んに飛び交っている。

実際のところはどうだろう。

これまでも機械の発達によってなくなった仕事はあった。例えば、電話交換手や駅の切符切りや馬車が機械や機関車や自動車に取って代わられたように、将来自動化されてなくなる仕事もあるだろう。便利なようでもあるし、人間としてはちょっと困るような気もする。

ではこんなとき、どう考えておくとよいだろう。

例えば、人間にできてもAIやロボットにはできないことはあるだろうか。もしそれが分かれば、お互いに得意なことを任せればいいし、協力もしやすそう。

これが分かるためには、AIやロボットのしくみとともに、人間のしくみも見ておく必要がある。なぜなら、それぞれのことが分かれば、互いの得手不得手も比べやすくもなるからだ。

でも、実は私たち人間の心や意識はまだまだ分からないことだらけだったりする。知能にしても感情にしても、解明できたとは言い難い状態にある。

ここでとても面白い疑問が湧いてくる。

あれ? 人間の知能のことがよく分かってないのに、どうして人工知能をつくれるのかな。

ほら、こんな問いが一つあるだけで、いろいろ調べて考えたくなるでしょう?

7脳はいい加減なのか?

脳はその場しのぎでできていた!

脳は周到に設計されたものではない。人間の脳は、トカゲやネズミの脳の上に増築を重ねたいびつな建物物。非効率な機能をその場しのぎで寄せ集め、間に合わせてきたのだ。その面倒くささが、感情、記憶、愛、宗教という人間らしい進化をもたらした。脳の常識を覆す画期的名著。

8心はどこにある?

「わたし」は脳に操られている

人間は、自分の行動を「自由に」決定できる主体なのだろうか? 自由に考え、行動していると思っていることは、脳内で起こる生化学的な現象にすぎないのか? 人は主体的に生きることなんてできないの? 脳科学の重大問題に立ち向かう世界最高峰の授業が書籍化。「わたし」のありかに迫りたい。

9意識はどこからやってくる?

意識はこれほどややこしい問題だ

人間の神経や脳は単なる物質。それがどのようにして物質ではないもの、つまり痛みや嬉しさのような感覚(クオリア)を生み出すのか? この問題は「意識のハード・プロブレム」と呼ばれている。意識についての神経科学を、自身の人生と重ねながら掘り下げる歴史的傑作。意識の探求をしたいなら、背伸びしてでも本書に挑戦してみてほしい。

10ロボットは敵か味方か?

C-3POからベイマックスまでロボ大図鑑!

C-3POやターミネーターから草薙素子やベイマックスやAIBOまで、古今東西さまざまなロボットが生まれてきた。友達みたいなロボットや兵器としてのアンドロイド、人間が機械化したサイボーグなど、ロボットはひとくくりには語れない。この本を片手に、未来のロボットを夢想してほしい。過去の遺産に負けない想像力を求む!

11人工知能に仕事を取られる?

「人間」の定義は揺らぎ始める

人工知能、アンドロイド、3Dプリンターなどの専門家7人と対話すると、機械の未来が見えてくる。すると同時に「人間」の定義があいまいになってきた。機械が人を追い越す? 機械と人の境界はどこにある? 著者は自分がロボットなんじゃないかと思い始める。作家ならではの視点で科学者と向き合う科学ルポ。あなたは機械? 人間?

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