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ショコラティエの楽しいことと大変なこと

ショコラティエの楽しいことと大変なこと

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口に入れるとスーッと溶けるチョコレート。こうした食感はチョコレート独自のもので、人の体温ほどの熱で、一瞬で溶けるチョコレート独特の油脂は、他に類がない「奇跡のもの」といわれています。ここでは、そうした特殊な食材を扱うショコラティエの仕事の楽しさと大変さをご紹介しましょう。

チョコレートに囲まれる幸せを堪能できるショコラティエ

夏場の休業期間中に開発したショコラ味のかき氷
夏場の休業期間中に開発したショコラ味のかき氷

ショコラティエにとっての最大の喜びは、なんといっても毎日チョコレートに囲まれて仕事ができる点に尽きるでしょう。もちろんチョコレートだけでなく、お菓子作りが好きな人にとっても、大きなやりがいを感じられる仕事といえます。
ショコラティエとして世界に名を馳せ、独自の世界を築き上げた成功者の中には「一日中チョコレートを作っていても平気」「睡眠時間を削ってでもチョコレートを作っていたい」「新作のチョコレート作りはどんなことより楽しい」と瞳を輝かせる、ショコラティエを天職とする人が多く存在します。
何より、クーベルチュール(製菓用チョコレート)、生クリーム、ナッツなどの副素材といったシンプルな材料をベースに、ショコラティエならではの創意工夫を凝らし、そこにさまざまな素材やフレーバーを調合させながら、世界に一つの芸術的な作品を仕上げていく……といった作業は、ものづくりの楽しさやだいご味に満ちています。
特にチョコレート作りの専門職であるショコラティエは、細工職人の要素が強いので、細かい作業をいとわず、チョコレートに囲まれる幸せを堪能しながら、ワクワク、ウキウキした気分で日々のチョコレート作りに取り組めることが、ショコラティエの最大の魅力であり、楽しさといってよいでしょう。

寒さ、暑さといった外的要因も、ショコラティエの大変さ

チョコレートを口に入れるとスーッと溶けますが、これは人の体温の36度ほどでチョコレートの油脂が一瞬にして溶ける性質をもっているからです。こうした特殊な性質をもつ油脂は他になく、その希少性から「奇跡の油脂」と呼ばれています。
そのためチョコレート作りの作業場は、チョコレートの特殊な性質に合わせて室温が20度くらいに設定されています。一年を通して20度にキープされた室温下に長くいると体が冷えるため、寒がりの人は夏でも防寒が必要ですし、細菌・ウイルス感染予防の観点から手指のアルコール消毒を頻繁にする必要があります。敏感性の皮膚の人は、そうした点も認識しておきましょう。
こうした「奇跡の油脂」といわれるチョコレートを扱うショコラティエにとって、最大の敵は夏の暑さです。特に地球の気候変動によって日本の夏の気温が高い傾向にある現在は、チョコレートの品質管理ができないことから、ショコラトリー(チョコレート専門店)の中には夏季期間中は休業するケースも多くなってきています。
日本の夏が亜熱帯化している一方、チョコレートの本場、フランス・パリの夏は7月の最高気温が25度程度。8月には最高気温が35度になる日もありますが、湿度が高い日本の夏と比べて、パリでは気温が高くても湿気が低いためカラッとした暑さが特長です。しかし、そうした気象下でもパリの老舗ショコラトリーの多くが、夏の期間中は休業します。こうした点からも、より日本の夏の暑さは良質のチョコレート菓子を安定してお客様に提供できないため、最近は、焼き菓子やチョコレート風味のかき氷、アイスクリームなどのアイデアに満ちたラインナップを提供するショコラトリーも増えています。

取材協力・監修

宮原美樹※2020年8月26日更新

手作りチョコレート専門店 ショコラティエ・ミキ オーナー・シェフ・ショコラティエ。 チョコレートメーカーで開発業務に携わったあと、2006年ショコラティエ・ミキをオープン。 2008年にはフランスで開かれた「サロン・ドゥ・ショコラ」に出展。2009年 著書『CHOCOLATE BOOK』(主婦の友社)刊行。 2013年、2014年 フランスの最高峰のショコラ専門ガイドブック『LE GUIDE』に、日本を代表する10軒のショコラティエとして掲載される。

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