法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを生かせる?進学後のリアル教えます!

法学部と聞くと、裁判官や弁護士、検察官を目指す人のための学部というイメージがあるけど、実際はそれだけじゃないって知ってた?

法学部ではどんなことを学ぶの?どうして就職に強いといわれているの?

ここでは、そんな意外と知らない法学部について、実際に大学で法律学を教えている教授にも解説してもらい、詳しく紹介するよ。

希望する学部を絞り切れていない人や悩んでいる人こそ必見!

【今回教えてくれたのは…】
法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを活かせる?進学後のリアル教えます!
小出篤先生
学習院大学 法学部 教授

専門は、商法(特に会社法)・金融法・証券法・信託法。
東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に勤務した経験ももつ。
大学で法学の教育・研究を行うかたわら、法制審議会部会幹事、企業会計基準委員会委員、国連国際商取引法委員会日本国代表なども務める。

法学部ってどんなところ?

法律の解釈や運用のしかたを学ぶのが法学部。

社会にはどんな法律があるのかを学び、その法律ができた背景や根拠を学ぶだけでなく、実際の社会問題や事件などに対してどの法律をどう適用するかを考えていく。

法律を学ぶことを通じて、社会の仕組みを理解するだけでなく、社会問題の原因をみつけ、分析し、解決する力を伸ばしていくことができるのが特徴だ。
「おおまかにいえば、過去に起こった考え方の違う者同士のトラブルを抽象化し、どのように一貫した論理によって調整するかを突き詰めたのが法律です。
 
法学部では、具体的な事例を参考にしながら社会問題をどう解決していくのかを論理的に判断していくことで、その感覚となる『リーガルマインド』を身につけることができます。

社会問題というと大きく感じますが、普段の生活の中で相手と意見が食い違うことは日常的なことです。

ルールとは法律だけでなく、例えば学校や会社独自のもの、コミュニティー独自のものも生活の中にはたくさんあります。

そうしたルールの中で意見の食い違いやトラブルが起こったときに、言葉を使って論理的に原因や状況の説明をして、相手を納得させる力を身につけられるのが法学部での学びなのです」。
★法学とはどんな学問?詳しく知る

法学部で学ぶことって?

法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを活かせる?進学後のリアル教えます!

※法律の分野は幅広いので学ぶ領域もさまざま

ほかの学部と同じように、まずは基本となる知識を学んだうえで、応用となる科目や自分の関心に応じてより一層専門的な分野に絞って学んでいく。

基本となる六法

憲法、刑法、刑事訴訟法、民事訴訟法、民法、商法の6つの法律を六法と呼ぶ。

六法に行政法を加えて七法と呼ぶこともあり、特に重要とされている六法や七法を主要科目とする大学が多い。
「六法以外も含めて、法律の分野を大きく『公法』と『私法』の2つに分けることがあります。

国や地方公共団体などの公権力同士、もしくは公権力と私人との間における関係を規律するルールを『公法』といい、憲法や行政法、刑法などがこれにあたります。

『私法』は個人同士など私人間の関係を規律するもので、民法や商法などがこれにあたります。

大学によって異なりますが、公法を中心に学ぶコースと私法を中心に学ぶコースもあります」。

応用的な分野

基本的な法律を学んだうえで、労働法、租税法、知的財産法、経済法など、さまざまな法律を学ぶことができる。

基本的には日本国内の法律について学ぶが、国同士を対象とした国際公法や、国境を越えた企業同士や個人同士の法律問題を対象とした国際私法を学ぶことも。

また、他国の法律を学ぶ比較法で、日本の法律についての理解をより一層深めていくケースもある。
「そのほかにも、例えば正義とは何かといったような法の根源的な問題を探求する法哲学、日本人の法への意識など法と社会の相互関係を考える法社会学、法律の歴史や法律がどう発展してきたかを学ぶ法制史など、基礎法学と呼ばれる分野もあります。

法律は社会と密接な関係にあるので、学ぶ範囲も幅広いですね。

最近では、経済理論を用いて法を分析する『法と経済学』など、ほかの学問と法学を融合させた学問も出てきています」。

法学部の主な学科・分野は?

法学部にはどんな学科があるんだろう?

ここでは主な学科を紹介するが、大学によって学科の名称や学べる内容はさまざまなので、詳細は法学部のある大学を調べてみよう。

法学科

法学部として一般的である法学科では、法律そのものを対象に学んでいく。

実際に起こった過去の事例をもとに、法律をどう解釈して解決したかを学ぶことで、問題の本質は何かを見極め、どう論理的に解決に導くかという力を養う。
「法律学の知識を必要とする職業に就きたい人や法律の運用に興味がある人は、法学科を選ぶといいでしょう」。

政治学科

法学科と並列して設置されていることが多い政治学科。

ルールそのものを学ぶ法学に対し、政治学ではそのルールをどう作っていくのかというプロセスに重点をおいて学ぶ。

日本の政治がどう行われてきたか、社会の状況を分析したり、政治的な国際関係を学んだりするほか、どんな仕組みがあれば社会で起こっている問題が解決するのかなども検証する。
「法学科も政治学科も社会を対象に、利害対立があったときにどう調整していくのかを学ぶという点では同じです。
 
両者はとても密接した関係にあるので、法学部の中に政治に関する学科がある大学は非常に多いですね」。

国際関係法学科

法学や政治学の観点から国際社会について学ぶ国際関係法学科。

さらに、経済やビジネスも関連させて学びを展開する大学もある。

国際的な法律や、安全保障や環境といった地球規模の法政策などを学び、国際社会のあらゆる問題を対処・解決する力を身につける。

それぞれの国への理解を深めるため、歴史や文化も学ぶほか、留学制度が充実している大学も多い。
「近年では、国際系やビジネス系を軸に法学を学ぶ学科が増えています。
 
日本の法律を他国に説明するスキルを身につけるため、英語で法律を学ぶ大学もあるなど、グローバルな視点で学びを深められるでしょう」。

法曹コース

裁判官、弁護士、検察官といった法曹と呼ばれる、法律を扱う専門職を目指す人の選択肢の一つが法曹コース。

通常、法曹となるまでには、法学部(4年)→法科大学院(2年)→司法試験を受けて合格→司法修習(1年)と、原則として大学入学から法曹資格取得まで、最短でも約8年が必要となる。

その期間を短縮できる制度として、2020年度から新たに導入されたのが法曹コースだ。

法曹コースの場合、法曹コース(3年)→法科大学院(2年)在学中に司法試験を受けて合格→司法修習(1年)と、最短で約6年で法曹資格取得が可能に。

学部の早期卒業を前提にこれまでよりも1年早く法科大学院に進学できるうえ、法科大学院の在学中に司法試験を受けることで法曹になるまでの期間が短縮され、これまでよりも経済的・時間的な負担が軽減される。

この道を選ぶなら、まずは法曹コースのある大学に進学しよう。
「大学の学部と法科大学院が連携し、法曹になるための一貫教育を受けられる制度です。
 
学部のうちから司法試験に向けた実践的な学びができるほか、一定の条件をクリアすれば法科大学院への入試が免除されるなど、法曹を目指す人の新しい選択肢となっています」。
★法学とはどんな学問?詳しく知る

法学部の授業・ゼミはどんな内容?

法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを活かせる?進学後のリアル教えます!

※法学部ならではの授業って?

まずは、そもそも法律とは?といった基礎的な知識や、六法などの内容を学んだうえで、過去の事例をもとに議論を交わして、法律への理解を深めていく。

大学や教授によって異なるが、売買や結婚、相続といった身近な題材から、ビジネスにおける企業間の意見の対立、労働に関する問題、犯罪や刑事政策、発明やデザインなどの知的財産、都市計画やまちづくり、地球環境、国同士の紛争など、法律の領域は幅広いためゼミで学べる内容も多岐にわたる。

憲法、民事訴訟法、民法、商法など分野に分かれており、原告・被告・裁判官と立場をわけて模擬裁判を行ったり、ある議題に対して賛成派・反対派に分かれてディベートを行い、立法のシミュレーションをしたりと、討論に力を入れるゼミも多い。

事前に参考となる資料や過去の事例を調べて情報をインプットし、相手の立場もふまえながらどう説得・解決するか、討論を交わしながら、あらゆる視点で物事を考える力をつけていく。
「相手を論理的に説得するためには、ある一定の知識をつける必要があります。

これは、法律を暗記するということではなく、法律をどう解釈して解決に導くのか、その一連の考え方や流れを過去の事例から学ぶということです。

新しい事象が起きたとしても、過去の事例を応用して対応することができるため、過去の事例を知ること、その知識を増やすことはとても重要です。

こうした講義はたいてい大人数で行うので、ほかの学部に比べて大人数での講義は多いかもしれませんね。

法律の解釈として絶対的な『正』はありません。

だからこそ、ゼミなどでは賛成・反対とで議論を交わし、相手を説得できるだけの論理的な説明ができる力をつけることに注力しています。

また、裁判官や弁護士など法律家になると、議論の内容を文章に落とし込む力も必要になります。

そのため、討論の課程や結果をレポートにまとめるなど、書くアウトプットを重視し、書くことの訓練に重点をおいたゼミもあります」。

法学部で目指せる主な資格は?

法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを活かせる?進学後のリアル教えます!

※法律の専門家としての資格もさまざま

ここでは法学部で目指せる主な資格を紹介しよう。
「取得が難しい資格も多く、強い意志をもって早い段階から勉強をする人や、ダブルスクールで資格試験対策をしている人も多いですね。

所定の科目の単位を修得することで受験資格が得られる資格があるほか、資格取得を目指すためのコースや奨学金を用意している大学もあるので、希望する大学の情報をチェックしてみましょう」。

裁判官、弁護士、検察官

法律を扱う専門職で法曹と呼ばれる裁判官、弁護士、検察官は、法学部で目指せる代表的な資格。

なるためのルートはいろいろあるが、大学卒業後に法科大学院に進学して専門教育を修了した後、国家試験である司法試験を受けるのが一般的。

合格後には司法修習という実習が1年あり、その後、司法修習生考試という試験や採用審査を経る必要がある。

難関な試験であることに加えて、資格取得までは長い道のりとなるので、どういったルートで目指すかは事前に調べておくのがおすすめ。

司法書士

法的な手続きの専門家として、依頼人に代わり、裁判所や検察庁、法務局などに提出する書類を作成し、手続きを行うのが司法書士。

国家試験に合格する必要があるが難関な試験であるため、資格スクールを併用する人も多い。

不動産登記、商業登記、企業の法務に関するアドバイザーなど、市民の身近な法律家として活躍するほか、簡易裁判所における訴訟代理権もあり、弁護士と同様に裁判業務に携わることも可能。

司法書士事務所に就職し、経験を積んだ後に独立・開業するのが一般的だ。

行政書士

行政と市民の架け橋となる行政書士は、個人や法人などの依頼を受けて、官公庁に提出する書類や、その他権利義務、または事実証明に関する書類を作成し、提出手続きを代行する仕事。

例えば、会社の設立関連、飲食店の営業許可の申請、交通事故の示談書作成などの自動車関連、遺言書や遺産分割などの相続関係、戸籍や帰化申請などの外国人関係をはじめ仕事内容は多岐にわたる。

行政書士も国家試験に合格する必要があり、行政書士事務所などに勤めるほか、独立・開業する人も多い。

税理士

個人や企業の依頼に応じて、所得税、法人税、消費税、相続税など税務申告の代理をする税理士。

税務のエキスパートとして税に関する法律の知識が必要であり、法律学の単位を取得することで税理士試験の受験資格を得ることができるため、法学部で目指す人が多い資格だ。

税理士試験は独学で合格することが難しいといわれ、大学の学びと並行して税理士試験の予備校に通う人が多いのも特徴。

目指すルートはいくつかあるが、税理士試験に合格した後、2年以上の実務経験を積むことが一般的。

会計事務所や税理士事務所、コンサルティング専門企業などで働くほか、多くの人が独立・開業して活躍している。

その他

その他、法学部でどんな資格を取得する人がいるのか、小出先生に聞いてみた。
「そこまで多くはないものの、公認会計士を目指す人、また、特許の出願・申請など手続きの代理人となる弁理士を目指す人もいます。
 
法学に特化しているわけではないですが、法律の知識が必要不可欠な資格です」。
★法学とはどんな学問?詳しく知る

法学部の主な就職先や業界は?

法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを活かせる?進学後のリアル教えます!

※意外にも法律関連以外の就職先が多い

企業からの期待値が高いといわれることが多い法学部。

その就職先は、法律関連だけでなく多岐にわたる。

小出先生によると、「実際に学生たちを見ていると就職状況はいいように感じています」とのこと。

ここでは、主な就職先や先輩たちに人気の職種を紹介しよう。

一般企業

多くの学生が就職するのが一般企業。

金融・保険業をはじめ、商社などの卸売業やメーカーなどの製造業、建設・不動産業など業界も幅広い。

さらに、企業の中でも法務部だけではなく、営業や企画、マーケティングなど分野も多彩だ。
「多くの法学部の卒業生は、ビジネスパーソンとして幅広い分野で活躍しています。

ビジネスの世界で求められるのは、顧客のニーズを掘り起こし、それに合う商品を提案することだったり、会社の置かれた状況を分析し、これからの経営プランを考えることだったりします。

それはつまり、問題意識をもち、状況を分析し、根拠を探し、論理的かつ説得的に議論を展開し、相手に伝わる言葉で表現する力を求められます。

こうした力をすでに4年間の法学部での学びで訓練して身につけているため、実際に法学部の卒業生が社会で評価され、リーダーシップを発揮しているのではないかと私は考えています」。

法律専門職

他学部からでもチャレンジできるが、裁判官、弁護士、検察官といった法律専門職は法学部ならではの学びが直結する仕事。

裁判官、弁護士、検察官になるには、法学部を卒業した後、法科大学院に進学するのが王道のルートだ。

国内で最難関ともいわれる司法試験に合格する必要があり、法学部の中でもこうした法曹の職業に就く人はごく一部。

ただ、司法試験に合格しなければ法律専門職に就けないわけではなく、法律事務所や裁判官事務所、行政書士事務所などに就職して業務のアシスタントとして働く人もいる。
「狭き門の職業ですが、司法試験予備試験に合格すれば法科大学院に進学しなくても司法試験を受験することができたり、法曹コースができてこれまでより短い期間で資格を取得できるようになったりと、なるまでのルートの選択肢は広がってきています」。

公務員

公務員を目指して法学部に進学する人もいるほど、法学部の就職先として国家公務員や地方公務員は人気の職業だ。

官僚、国税専門官、裁判所事務官、労働基準監督官、家庭裁判所調査官などの国家公務員、警察官や消防士、行政事務などの地方公務員など、仕事内容はさまざま。

公務員ごとに試験内容や採用方法も異なるので、まずはどんな仕事があるのかを調べてみるのがおすすめ。

大学によっては法学部の中に公務員を目指すためのコースが用意されていたり、公務員試験対策に特化したゼミがあったりするので、希望する大学をチェックしてみて。
「実際に公務員になる先輩は多いですね。
 
公務員は法律に則って職務を遂行する仕事です。
 
そのため、公務員試験において民法や行政法などの法律科目が多く出題され、法学部出身者は有利といわれています」。

アンケートからわかった!法学部の先輩の声

法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを活かせる?進学後のリアル教えます!

※どんなことが楽しい?大変?先輩たちの本音を聞いてみよう

次に、法学部に通っているor通っていた先輩にも法学部についていろいろ聞いてみたよ。

ここからは、先輩たちのリアルな声を見ていこう。

法学部の雰囲気は?

実際、先輩たちは法学部の雰囲気をどう感じているのかな?
・「公務員や法曹を目指している人はずっと勉強している。まじめな人が多い」(法学部法律学科 21歳 奈良県)

・「公務員試験や司法試験を目指す人が多く、まじめに勉強している人が多い。でも見た目は派手な子も多く、法学部だからといって地味・暗いといった印象はない。どちらかというと男子の割合が若干高め」(法学部法律学科 19歳 大阪府)

・「司法試験に合格するために1年生からダブルスクールしていたり、勉強熱心な人がほかの学部に比べて多い傾向がある。塾講師のバイトをしている人が多いので、髪色は黒色や暗めが多い」(法学部法律学科 21歳 兵庫県)

・「公務員を目指す人がほかの学部より多い気がする」(法学部法律学科 20歳 沖縄県)

・「公務員を目指している人におすすめ。法律や時事に疎くても、正しい知識と最新のニュースが常に手に入るので、日々の日常に彩りが出ます」(法学部法律学科 18歳 奈良県)

・「英語能力に定評があり、海外留学を目的に進学してくる人が多い印象です」(法学部国際政治学科 20歳 埼玉県)

・「サークルやバイト等とうまくかけもちして学習に励む人が多い印象」(法学部法学科 19歳 富山県)

・「まじめな方も多いが、サークルや部活など文武両道で学生生活を楽しんでいる人が多い」(法学部法学政治学科 21歳 兵庫県)
「まじめ」「勉強熱心」という声が多くみられたけれど、勉強だけでなくサークルやバイトなどとバランスよく楽しんでいる人も多いみたい。

司法試験や公務員試験など、資格取得に向けて取り組む人も多い印象だ。

男女比は半々という声もあったが、「やや男子のほうが多い」という声が多かった。

なぜ法学部を選んだの?

先輩たちが法学部に進学した理由を具体的に聞いたよ。

法律専門職に就きたいと高校生のときから考えていた人や、身近な法律について学びたいと考えた人、また、「就職で潰しがききそう」と法学部で身につく力に魅力を感じた人も多かった。
【なりたい職業があった】

・「弁護士を目指しているので」(法学部法学科 18歳 千葉県)

・「公務員を目指しているため」(法学部法学科 19歳 千葉県)

・「法曹になりたいから」(法学部法曹養成専攻 24歳 三重県)

・「法律に関する仕事をしたい」(法学部法律学科 24歳 東京都)

【学問として興味があった】

・「生活していく中で切り離せない法律について学びたいと思ったから」(法学部法律学科 20歳 沖縄県)

・「目に見えないのに社会を律している点で特異な存在だと思い、法律に興味をもった」(法学部 21歳 千葉県)

・「元々法に興味があった。また、海外経験を通して海外の法について興味をもった」(法学部国際関係法学科 20歳 東京都)

・「高校時代の進路選択の際に、まちづくりに興味があって、この大学なら学べると考えた」(法学部行政政策学科 21歳 福島県)

【就職に役立ちそう】
 
・「将来の選択肢の幅が広いから」(法学部法律学科 20歳 大阪府)
 
・「さまざまなことに興味があったけれど、法学は将来どんな道に進んでも役に立つと思ったし、よくニュースを観るので親近感があったから」(法学部法律学科 19歳 大阪府)
 
・「どの仕事にも潰しが効くと思ったから」(法学部法学政治学科 21歳 兵庫県)

法学部のおすすめの授業・ゼミは?

さまざまな法律があり、幅広く学ぶ法学部だからこそ、おすすめの授業やゼミの内容もいろいろな意見があがった。

先輩たちの意見をみていると、受けてみたい!おもしろそう!と思う授業やゼミばかり!
・「憲法の授業。憲法の学習だけでなく時事問題について考える機会を与えてくれる」(法学部法学科 19歳 千葉県)

・「刑法。刑事ドラマをよくみる人にとってはとても身近に感じ、具体例もわかりやすく説明されるためおもしろいし勉強のやりがいがある」(法学部法律学科 19歳 大阪府)

・「憲法や刑法。学修しておけば、生涯必ず役に立つはず」(法学部法学科 21歳 京都府)

・「犯罪学の授業。人が犯罪をする原因には心理的な側面や環境的な側面など、さまざまなことが関係していることがわかっておもしろい。犯罪でなくても、ついサボってしまったり、ダイエット中に食べてしまうというような日常的なことにも通ずるため、役に立つ」(法学部法律学科 21歳 奈良県)

・「法医学。法学だけでなく医学的な観点を学んだうえで実際の事例を考えるのがおもしろい」(法学部法学科 19歳 富山県)

・「環境法。地球の未来に直結している」(法学部法律学科 21歳 東京都)

・「経済法。弱い立場の事業者を守る方法を多角的に考えることができる」(法学部法曹養成専攻 24歳 三重県)

・「労働法や家族法は身近に感じる法律について学ぶため、労災や相続など聞いたことがある法律についてしっかり学ぶことがおもしろい」(法学部法律学科 20歳 沖縄県)

・「刑事訴訟法ゼミ。私の所属するゼミでは活動の中で裁判傍聴し、その弁護人の方とお話や質問をすることができました」(法学部法学科 21歳 大阪府)

法学部で大変なこと、つらいことは?

先輩の意見をみると、授業やテストの内容が難しいという意見が多かった。

特に成績はテストの結果が大きく反映されるようで、テスト勉強は大変な様子。

さまざまな分野を学び、資料も多いことから、「荷物が重い」という意見があがったのも法学部ならではの悩みのようだ。

また、法学は絶対的な正解がない世界だからこそ、自分の意思をしっかりともつことの重要性を感じている先輩もいた。
【日々の授業】

・「普段聞きなれない法律用語に慣れるまでが大変」(法学部法律学科 21歳 埼玉県)

・「幅広いジャンルを学ぶので大変」(法学部法律学科 20歳 大阪府)

・「用語や漢字が難しい。判例の文章が長く、読むのが大変」(法学部法律学科 21歳 奈良県)

【テスト】
 
・「テストが論述式のため、一か八かなことが多い」(法学部法律学科 20歳 広島県)

・「試験勉強。覚えることが多く、難易度が高い。論述なので、表現力も鍛えなければならない」(法学部法学科 19歳 千葉県)

・「法学部は成績はほとんど最終テストのみで決まるので、その1回勝負が厳しい」(法学部法学科 20歳 大阪府)

・「出席を取らない授業が多く、テストの点数のみで単位が取得できるかどうか決まるためほかの学部よりも勉強する必要がある」(法学部法律学科 21歳 京都府)

【教科書や資料が多い】

・「関連する書籍が多いため、大変」(法学部法律学科 21歳 佐賀県)

・「教科書や六法など持ち歩くので、荷物が重い」(法学部法律学科 21歳 兵庫県)

【自分の意見をもつ】

・「はっきりした正解がないためいろいろな判例等に触れて自分なりの意見をもっておくことが一番大切」(法学部法学科 19歳 富山県)
★法学とはどんな学問?詳しく知る

法学部の学費は?

法学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学んだことを活かせる?進学後のリアル教えます!

※進学するうえで大切な学費も把握しておこう

国立・公立・私立の違いに加え、学部・学科によっても学費は異なるので、法学部を含めて学費の目安はあらかじめチェックしておきたい。

特に弁護士など法曹の仕事を目指す人は、資格取得までに長い道のりとなるので、大学の学費以外にもどのくらいの費用がかかるか確認しておくと安心だ。

★大学の学費はいくら?受験料、入学料、授業料を分野別に見てみよう

法学部を目指す高校生へのメッセージ

最後に、小出先生から高校生のみんなにメッセージをもらったよ。
 「法律学は、社会全般が対象なので幅広い分野を学ぶことができます。

そのため、興味が定まらない人や将来やりたいことが漠然としている人こそ、法学部で学ぶことで何かしら『これだ!』と興味をもてる分野がみつかると思います。

また、ビジネスに興味がある人が法学部に進学して、ビジネスのルールである商法を勉強しても、将来その知識が大いに役立つでしょう。

法律のあり方とそれをどう運用するかを学ぶことで、社会に出てから役立つセンスが身につきます。

そのセンスとは、新しい未知の事象が出てきても、過去の事象で学んだことを応用し、それにどのような問題があるのか、社会はどのように対応すればいいのかを、さまざまな立場や視点から考えることができる力です。

法学部での4年間では、あらゆるルールを対象に、なぜそのルールがあるのかを分析し、このままでいいのか、改正するほうがいいのかなど議論を重ねることで、社会を言葉で分析する力をつけています。

これは、人と人との関係を醸成していくスキルでもあり、よりよい社会を作ることにつながります。

ぜひ法学部でよりよい社会を作る力を身につけてください。

法学部に進学する皆さんの活躍を期待しています」。

取材・文/ミューズ・コミュニティー 監修/小出篤 構成/寺崎彩乃(本誌)
※掲載している情報は、2022年9月時点でのものです。 ★法学とはどんな学問?詳しく知る



★関連記事をチェック!


先輩たちはどう選んだ?行きたい大学&学部・学科の選び方

大学の学部・学科一覧!後悔しない大学選びに役立つ!学部学科選びのヒントも

大学の「講義」とは? 高校の授業とどう違う?時間割と受け方のコツを大公開!

経済学部とは?学ぶこと、資格、就職先、学部の雰囲気etc.進学後のリアル教えます!